iPhoneがアップルの売り上げを支えてきた
iPhone(アイフォーン)とiPadの主力製品が伸び悩む米アップルは、26日発表した2016年1~3月期決算が13年ぶりの減収減益になった。ティム・クック最高経営責任者(CEO)は電話会見で「技術と才能のある会社を探している」と語り、企業買収などを通じて新分野への投資を加速させる考えを改めて強調した。
「厳しい四半期」という決算は、売上高が前年の同じ時期に比べて13%少ない505億5700万ドル(約5兆6100億円)。純利益も、22%少ない105億1600万ドル(約1兆1600億円)と苦戦した。日本以外のすべての地域で、売上高が前年を下回った。
1年前、アップルは画面を大型化させたiPhone6のヒットで最高益を記録した。しかし、その後発売した「6s」や「SE」には大きな技術革新がなく、売り上げを後押ししてきた中国市場の伸び悩みも重なって、iPhoneの販売台数は、2007年の発売以来、初の前年割れになった。クック氏は、価格を抑えて発売したSEで「新しい客を開拓する」と述べ、成長鈍化は一時的なものと強調する。ただ、「iPhoneの落ち込みを補う製品が出ていない」(米アナリスト)といった懸念の声も聞こえてくる。