安倍内閣の政策で「評価する政策」「評価しない政策」は
朝日新聞社は憲法や政治についての全国世論調査(郵送)を実施、約2千人から回答を得た。それによると、有権者の安倍内閣への評価は、発足当初の3年前の調査に比べてかなり厳しいものになっていることが浮かび上がった。アベノミクスの評価が大幅に低下しているほか、匿名ブログ「保育園落ちた日本死ね!!!」の影響もうかがえる。
世論調査ページ
安倍内閣の政策で、「評価する」ものと「評価しない」ものを10項目からそれぞれ複数回答で選んでもらった。今回の調査結果を3年前の調査(2013年5月)結果と比べてみると、グラフのように「評価する」の回答が減り、「評価しない」の回答が増えた。
3年前は第2次安倍内閣が発足して間もなく、調査後の参院選では自民党が大勝した時期だが、アベノミクスを中心に、内閣への評価が厳しいものに様変わりしていることが分かる。
「評価する」政策は、「景気・雇用」が36%で最多。次いで「TPP(環太平洋経済連携協定)」26%、「外交・安全保障」25%だった。3年前の調査でも「景気・雇用」が最も多かったが、当時の数字は断トツの67%。この3年間で評価は大きく下がった。
実際、安倍内閣の経済政策の評価を尋ねると、「大いに」2%と「ある程度」45%を合わせて「評価する」は47%。一方の「評価しない」は、「あまり」38%と「まったく」12%を合わせて50%。評価は拮抗(きっこう)したが、3年前は「大いに」と「ある程度」を合わせた「評価する」は68%に上っており、アベノミクスへの評価は明らかにしぼんでいる。
また、安倍内閣は昨年、安全保障関連法の成立、慰安婦問題をめぐる日韓合意など、外交・安保分野に力を注いだが、その評価はむしろ、3年前の31%からやや下がる結果となった。
「評価しない」政策では、「消費税増税」が最多で50%。次いで「原子力発電・エネルギー」45%、「教育・子育て」40%だった。
「教育・子育て」は3年前の18%から大幅に増えた。匿名ブログ「保育園落ちた日本死ね!!!」をきっかけに、議論が急速に高まっている待機児童問題が影響した可能性がある。
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調査結果は、5月3日付の朝日新聞朝刊で詳報する予定です。
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〈調査方法〉 全国の有権者から3千人を選び、郵送法で実施した。対象者の選び方は、層化無作為2段抽出法。全国の縮図になるように338の投票区を選び、各投票区の選挙人名簿から平均9人を選んだ。3月16日に調査票を発送し、4月25日までに届いた返送総数は2077。無記入の多いものや対象者以外の人が回答したと明記されたものを除いた有効回答は2010で、回収率は67%。