にぎわうJR名古屋駅前=26日午前、名古屋市中村区、戸村登撮影
名古屋駅が開業130年を5月1日に迎える。まちはずれが東海地方の中心となり、にぎわいを増す。一極集中はさらに進むのか。
■初代駅舎は東京駅より前
「アシが生える湿地帯だった場所が、130年で経済、社会の拠点として劇的に発展した」。JR東海の柘植康英社長は、名駅の歩みをそう振り返る。
木造平屋建ての初代駅舎ができたのは、東京駅より30年ほど前の1886(明治19)年。愛知県広井村だった現在の笹島交差点あたりに立ち、「笹島ステンショ」とも呼ばれた。
当初、鉄道資材の陸揚げ拠点だった武豊などと結んでいたが、3年後に東海道線が新橋―名古屋―神戸で開通し利用者が急増した。1891年の濃尾地震で壊れ、建て替えられた。
日中戦争が始まった1937(昭和12)年には、200メートルほど北の現在地に移った。貨物駅との併用が難しくなったためだ。鉄筋コンクリート造り6階建ての3代目は「東洋一」ともうたわれ、名古屋空襲や伊勢湾台風をくぐり抜けた。