霧島酒造が2018年8月から稼働させる新工場のイメージ図。1日に一升瓶で4万本分をつくることができる=霧島酒造提供
芋焼酎「黒霧島」などで知られる焼酎メーカーの霧島酒造(宮崎県都城市)は24日、都城市内に新工場を建てると発表した。1日で一升瓶4万本分を作ることができ、他の工場も含めた全体の生産能力は25%上がる。首都圏などで販売が伸びる中、能力増強で生産安定を図る。
都城市内にある工場の隣に増設する。157億円をかけ、2018年8月から稼働する予定。主力の「黒霧島」「白霧島」を主につくり、正社員を含め80人強の従業員を雇うという。
霧島酒造は今年5月で創業100周年。帝国データバンク福岡支店によると焼酎メーカーの売上高で3年連続トップを維持し、好調が続いている。11年にも工場を増設しているが、その後も首都圏などを中心にシェアを伸ばしており、「フル稼働でギリギリの状態」(徳元克則・生産本部長)だった。
芋焼酎の県別の年間出荷量では鹿児島県が長年トップの座を守ってきたが、2014酒造年度(14年7月~15年6月)には初めて宮崎県が首位となった。霧島酒造の販売好調が最大の要因だ。一方、国内での焼酎の販売数量全体は、ピークとなった07年度の100万5千キロリットルから、14年度は86万2千キロリットルに減っている。(高橋尚之)