熊本県南阿蘇村は、地震による阿蘇大橋の崩落で村中心部と分断された立野地区について、隣の同県大津町に仮設住宅を建設する検討を始め、被災者の意向調査を行うことを決めた。
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立野地区は多くの住宅が倒壊したうえ、阿蘇大橋の崩落で村中心部との往復には大きな迂回(うかい)が必要となっている。新たな土砂崩れの恐れもあり、住民約100人が大津町内の体育館に避難している。村は大津町に町内での仮設住宅建設を打診し、町側も協力する意向を示したという。
大津町の避難所で、契約社員の片島広美さん(52)は「先が見えない避難所より仮設でも家がいい。早く安全な場所で落ち着きたい」と歓迎。定年退職後に故郷の立野地区に戻った江藤亨(とおる)さん(82)は「土石流が怖いので、仮設住宅を建てるなら、山がちな阿蘇より大津町のほうがいい。もう戻りたいとは思わない」と話した。