断層とみられる亀裂が横切る農地=2日午後、熊本県益城町、朝日新聞社ヘリから、長沢幹城撮影
熊本県などでの一連の地震で、熊本県内の農業被害額が767億円に達することが県のまとめでわかった。このうち756億円(約99%)を農地や用排水路、ハウスなど農業基盤の被害が占めた。森山裕農林水産相は2日、被災地を視察後、報道陣の取材に「できる限りの努力をする。農家のみなさんに負担の少ない形で復旧復興の制度をフル活用したい。前例にとらわれず、スピード感を持ってやることが大事だ」と述べた。被害額の大きさを踏まえて、今後、再度の補正予算編成も必要になるとの見方も示した。
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県の推計では、一連の地震による被害(1日現在)は、林業や水産業を加えた農林水産関係で1022億円。911億円の被害額となった阪神・淡路大震災の被害額を超え、2012年に熊本、大分、福岡3県を襲った九州北部豪雨の1265億円に迫った。
農業被害では、農地のひび割れや用排水路の損傷、ハウスや選果場などの施設損壊など、生産の前提となる農業基盤への損害が目立った。地域的には震源に近い熊本市や上益城郡、阿蘇地域などに集中。田の被害は1574カ所、畑は1147カ所だった。