三菱自動車水島製作所。車の出入りはまばらだった=2日、岡山県倉敷市
三菱自動車は燃費偽装問題によって軽自動車の販売が半減し、自宅で待機する社員の賃金を減らす。軽をつくる水島製作所(岡山県倉敷市)と取引がある下請け企業の従業員にも、自宅待機は波及しつつある。軽の生産再開のめどはたっておらず問題の長期化が見込まれるなか、行政への支援を求める動きもめだつ。
軽販売、燃費偽装響く 三菱自45%減、日産51%減
三菱自の燃費偽装問題
水島製作所では2日、大型連休とあって生産ラインが全体的に止まり、人の出入りはまばらだった。大型連休が明けても軽の生産は当面できないため、担当していた約1300人が自宅待機を命じられている。
賃金削減と補償については会社と労働組合が交渉を始めているが、ある男性社員(23)は「賃金のことは情報が入ってこない。なるようにしかならないですね」と漏らす。
別の男性社員(31)は「会社から現状の説明はあったが、生産再開の見通しは全く分からない。早く再開してくれればいいのだが」と顔を曇らせた。
影響は部品を納入する下請けメーカーにも、すでに出ている。三菱自と取引割合の大きい岡山県内の企業が2日午後、県に支援を求めた。雇用調整助成金の要件緩和を国に働きかけることや、休業中の従業員が一時的に働ける派遣先のあっせんなどを要望している。