台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業の支援を受けて経営再建をめざすシャープが、次期社長について外部人材の起用も含めて検討していることが4日、明らかになった。複数の関係者によると、中国の家電大手ハイアールグループの「アクア」前社長、伊藤嘉明氏(46)の名前が浮上しているという。
高橋興三社長(61)は経営悪化の責任を取り、鴻海の出資を受けた後に退任する見通し。伊藤氏は日本コカ・コーラやソニー・ピクチャーズエンタテインメントなどを経て、旧三洋電機の白物家電部門を引き継いだアクアの社長に就任。2年余り務め、この3月に退任した。
ただ、シャープ内部には外部からの起用に慎重な意見も少なくなく、生え抜きの昇格を求める声もある。シャープは鴻海の意見も踏まえたうえで、調整を進める見通しだ。