神戸市中央区のJR三ノ宮駅前で3日、乗用車が暴走し、歩行者5人が重軽傷を負った事故で、自動車運転死傷処罰法違反容疑で現行犯逮捕された沢井国一容疑者(63)の次男(22)が、県警に対し、「(事故当時、助手席から)父に呼びかけたが反応がなかった」という趣旨の説明をしていることが捜査関係者への取材でわかった。
県警は5日、沢井容疑者を送検し、区内の自宅マンションを家宅捜索。捜査関係者によると、沢井容疑者は数年前から持病で通院していたと話しているといい、医師から処方されたとみられる薬などを押収した。県警は一時的に意識を失っていた可能性があるとみて、運転前の体調や服薬の状況などを調べる。
県警によると、沢井容疑者は神戸市内で入院中の母親を見舞いに行き、帰宅する途中だった。逮捕後、「ぶつかって止まったことは覚えている」と話す一方、駅前のロータリーで暴走を始め、歩行者をはねたことについては「なんでこうした事故を起こしてしまったのかは覚えていない」と供述しているという。
現場にはブレーキ痕が残っておらず、周囲のタクシーなどの車載カメラの映像でも、車のブレーキランプが点灯していなかった。