湖北省武昌実験小学校の張基広校長はこのほど、武漢市の両会(人民代表大会・政治協商会議)のために、長江日報が設置した特設ライブ配信ルームに登場し、「小中高校が『父親が子供を送り迎えする日』を設け、家庭教育における『パパのエネルギー』発揮を促すように」と提案したことが、社会で大きな話題となっている。北京青年報が報じた。
家庭教育において、父親の存在がうすいというのが、中国の多くの家庭の現状となっている。2015年、上海市が発表した「上海の家庭教育の現状分析」の調査報告によると、子供の教育は「主に父親が担当している」という家庭の割合は2005年の30.2%から23.7%にまで減少した。一方、「主に母親が担当している」という家庭の割合は20.3%から47.2%まで上昇した。同年12月、中国全国婦女聯合会・児童工作部が発表した中国全土の家庭教育の現状調査の主な結果、データによると、家庭教育において、「母親が主導権を握り、父親の存在がうすい」という割合が約半数に達していた。
湖北省武昌実験小学校は2019年から「父親が子供を送り迎えする日」を設け、毎月8日、18日、28日は、父親が子供を送り迎えし、子供と手をつないで帰宅するようにと呼びかけている。父親が来ることができない場合は、子供の親戚中の男性が送り迎えすることもできる。「父親が子供を送り迎えする日」を設けたのは、父親が積極的に家庭教育における責任を担い、子供の成長をより良い形で見守るよう促すのが目的。子供が心理的健康を維持するのにもつながると期待されている。
しかし、小学校が「父親が子供を送り迎えする日」を設けていることは、大きな議論も呼んでいる。ネットユーザーからは、「形式主義だ」や「片親家庭はどうするんだ」などの声も寄せられている。離婚率が年々上昇するにつれて、片親家庭が増加の一途をたどっているというのは紛れもない事実だ。家庭環境の変化、特に両親の離婚は、未成年者に大きな心の傷をもたらし、そのような子供は普通の家庭で育つ子供に比べると、ネガティブな思考になりやすい。(編集KN)
「人民網日本語版」2021年2月7日