一連の地震で、熊本市の避難所で生活する約5600人のうちの3割が「今いる避難所で暮らしたい」と希望していることが、市の意向調査でわかった。市は180カ所(2日現在)ある避難所を18カ所に集約する意向だが、居住地に近い避難所から移りたくないとの声が寄せられている。
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熊本地震 災害時の生活情報
避難所にいる6535人(2日夜現在)を対象に、被災状況や生活再建のために必要な支援などを市が聞き取った。2~4日に、8割を超える5638人から回答を得た。
市は、学校にある避難所を閉めることで、学校の早期再開につなげたい考えで、18カ所に集約した「拠点避難所」を8日に開設する。調査では3割を超える1834人が「拠点避難所以外での避難」を希望した。運転ができず移動が難しい高齢者も多く、ほとんどが「今いる避難所に残りたい」と希望した。
また、夜だけの避難や、ペットの同伴を望む声も多く、市はコミュニティーセンター(集会所)を夜だけ開放するなど対応を考えている。
避難所から帰宅できない理由として最も多かったのは「家が全半壊」で、3割を超える1993人。次に、余震が続いていることを挙げたのが1449人で「余震が怖くて帰れない」「1人だと眠れない」と訴える人も多かったという。(加藤美帆)