片付けを手伝いに駆けつけた下宿していた学生らと笑顔で会話する竹原伊都子さん(左)=4日、熊本県南阿蘇村河陽、金子淳撮影
一連の熊本地震で休講した東海大学農学部阿蘇キャンパス(熊本県南阿蘇村)に通っていた学生らが、下宿先を経営する夫妻に恩返ししようと、がれき処理などの手伝いを続けている。お世話になった「両親」への感謝の思いを込め、住み慣れた地に戻ってきた。
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熊本地震 災害時の生活情報
3日午前、雨具を着た東海大の学生や卒業生5人が、下宿「新栄荘(しんえいそう)」の周囲に散乱する廃材などを手際よく拾っていた。3年の石田仁星(じんせ)さん(20)は、いったん大分県別府市の実家に身を寄せた後、戻ってきた。「6月まで学校は休みだけど、ここで残りの学生生活を過ごしたいんです」と力を込めた。
新栄荘をいま経営するのは、学生が親のように慕う竹原満博さん(55)、伊都子(いつこ)さん(55)夫妻。新栄荘は1973年のキャンパス開設と同時に学生の受け入れを始め、これまでに1千人を超える学生が巣立った。
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