熊本県を中心とする一連の地震で自宅に住めなくなった障害者や介護が必要な高齢者、妊婦ら「災害弱者」を優先して、熊本市が市営住宅など約210戸を無償提供することを決めた。大西一史市長が7日、発表した。
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発表によると、市営住宅約80戸に加え、民間のサービス付き高齢者向け住宅約70戸、特定優良賃貸住宅約60戸も借り上げて計約210戸を確保。抽選はせず、7日から職員が福祉避難所などにいる対象者を訪ねて意向を聴き、入居者を決める。入居期間は市営住宅と特定優良賃貸住宅が最長1年、サービス付き高齢者向け住宅は最長2年。
市住宅課によると、自宅が全半壊した被災者らに市営住宅を最長1年間、無償提供するため、市は3日に抽選を実施。募集した250戸に計3949件の応募があり、平均倍率が15・8倍にのぼった。
ハンディキャップを抱えた人は抽選に漏れても自力で物件を探せない場合が多い。避難所生活の負担も大きく、巡回した保健師らから配慮を求める意見が出ていたという。
熊本県も被災した障害者や高齢者らを優先して公務員住宅186戸を無償提供することを決め、申請を受け付けている。
県によると、7日午前現在、県内では住宅6万2609棟が損壊。25市町村の避難所356カ所に1万4775人が避難している。