スマホのアプリを使った、新しいスポーツの楽しみ方が始まっている
IT技術を使い、「スポーツの楽しみ方を広げよう」という取り組みが進む。手元のスマートフォンで見逃した技を再生したり、試合中、席に食事を配達してもらったり。4年後の東京五輪は、最新技術の見本市にもなりそうだ。
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2月にフランスで開催された柔道の国際大会「グランドスラム・パリ」。選手の登録人口が約60万を誇る柔道大国だけに、アリーナは活気に満ちていた。その中で、1組のカップルがスマートフォンを片手に戦いを見つめていた。
大会は四つの畳で同時に試合が進行していた。2人から最も離れた第4試合場付近で歓声が起きたが、様子がよく分からない。そこで、ジャニック・ビュイソンがスマホ画面の「4」を押すと、第4試合場の中継映像が映し出された。巻き戻し機能とスローモーション機能を使うと、勝者が投げ技で崩し、寝技で抑え込む過程がはっきりと確認できた。仏西部アンジェの道場で柔道を教えるビュイソンは「この機能はすごい。いろいろな試合を見られるんだから。おかげで彼女に詳しく技を解説できるよ」とほほ笑んだ。