インタビューに応じる井阪隆一氏=東京都千代田区、栗林史子撮影
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セブン&アイ・ホールディングスの新社長に26日付で就く井阪隆一氏(58)が、朝日新聞のインタビューに応じた。セブン―イレブンの店舗網をネット通販の物流拠点として生かす考えなどを示した。主なやりとりは以下の通り。
セブン、通販の受け取り拡大へ 「多店舗の強み生かす」
――新社長として、まず何をしますか?
「グループの各事業が『仮説と検証』を正確に、スピードを伴ってすること。長く経営に携わったセブン―イレブンでは、お客様ニーズに仮説と検証を繰り返し、商品や販売設備、売り場のレイアウトを変えてきました。それが奏功し、5年連続で過去最高益を更新できた。同じように各事業が回るようにサポートします。大事にしたいのは各事業会社との対話。各事業領域のトップがどういう成長戦略を描いて、利便性なり価値を提供しようとしているのかを確認したい」
――セブン&アイの鈴木敏文会長から「新しい提案がなかった」と厳しい評価もありました。反論は?
「コンビニという産業や、セブン銀行という全く新しい金融事業を創りだした偉大な経営者の鈴木会長からは、そう見えたかもしれない。でも、2000年代に入ってコンビニ飽和時代と言われながら、09年にその事業を任され、コンビニを再定義して再成長に結びつけた自負はあります」
――再定義とは?
「90年代までのコンビニは、若者向けにすぐ食べられる食品をメインで売る店で、365日24時間営業が強みでした。00年代以降、働く女性が増え、同時に高齢化社会に突入しました。コンビニは、銀行窓口や市役所窓口など生活拠点を補えるのではと再定義して、『近くて便利』というコンセプトで店づくりをしました」