ライブラリーカフェ「庄九郎」=名古屋市緑区
伝統工芸の有松絞で知られる名古屋市緑区の有松地区。築約170年の古民家が改修され、ライブラリーカフェ「庄九郎」に生まれ変わった。約400年前にこの地区に移り住んだ「開祖」の子孫が、インターネットを通じた「クラウドファンディング(CF)」という新しい手法で資金を集めた。
クラウドファンディング
■返礼がある「購入型」
2月上旬にオープンした庄九郎は広さ約60平方メートルで、全18席ある。紅茶やコーヒーを飲みながら有松絞に関する資料や映像を見ることができる。午後5時からは日本酒や食事を楽しめるバーに変わる。焦げ茶色の柱に墨書きされた「い」「ろ」「は」の文字は、建築当時の大工が記したと伝わる。工事中、「弘化三(1846)年」と書かれた畳の裏板も見つかった。
改修したのは、有松の町並み保存事業などに取り組むNPO法人コンソーシアム有松鳴海絞(CAN)。改修費約1千万円のうち500万円以上をCFで集めたという。出資額に応じて有松絞のネクタイやカフェ利用券などのお礼をする。
事業費の半額以上をCFで集めれば、残りは市と国の助成を受けられる名古屋市の「なごや歴史的建造物保存活用工事助成」を活用。庄九郎は制度利用の第1号だ。
今回のCFは、出資額に応じて返礼がある「購入型」と呼ばれる。ほかに、「寄付型」や投資的要素の強い「金融型」もある。
CANの中村俶子(よしこ)理…