日本野鳥の会は9日、ツバメが子育てに失敗した原因のうち、人が巣を落としたり巣作りを妨げたりした割合が、都市部では郊外や農村部の約7倍にのぼったとする調査結果を発表した。人家の軒下に泥やワラで作られる巣が「不衛生」と嫌われるらしい。10日から愛鳥週間(バードウィーク)。「優しく見守って」と呼びかけている。
野鳥の会は、ツバメの減少を感じる人が約4割を占めた2012年のアンケートを受けて、13年から子育て状況の全国調査を実施。15年までの3年間、のべ2506人から796市区町村でのべ5115個の巣の観察情報を特設サイトに寄せてもらった。
子育ての失敗率は都市部で23・0%、郊外や農村部で19・8%。原因別にみると、農村ではカラスやヘビなどの天敵が42・4%、人が原因になったのは1・5%だったのに対し、都市では天敵が25・1%で、人が10・6%に達した。巣立つひなの数も、都市は平均約3・9羽と、農村の約4・3羽より少なかった。
同会は「都市部では、人そのものが子育ての脅威になりつつある」とみている。卵やひながいる巣を都道府県知事の許可なく落とすことは鳥獣保護管理法で禁じられている。(小堀龍之)