花屋の従業員らが見守るなか、解体がすすむ建物=11日午後10時すぎ、熊本県益城町、遠藤啓生撮影
震度7に2度見舞われ、1千棟超が全壊した熊本県益城町の中心部で11日深夜、県道約1キロを夜間通行止めにし、倒壊の恐れがある道路沿いの建物を解体する工事が始まった。通行の安全性を確保するのが目的で、12日も続く。
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撤去工事が始まったのは町役場近くの県道熊本高森線。11日は午後9時から全面通行止めとし、県が所有者の同意を得た店舗や事務所など3棟を、大型の重機を使って取り壊したり、がれきを片付けたりした。
生花販売を営む倉本憲夫(のりお)さん(72)の木造2階建て店舗は一連の地震で大きく傾き、道路に倒れかかる危険があった。約20年前までは農家の納屋で、築60年を超えるという。解体に立ち会った倉本さんは「思い出はいっぱい。本当は壊さずに立て直したかったが、仕方がない」と話した。(中川壮)