熊本YMCAが主催する「熊本地震災害1カ月経過のつどい」で、熊本地震(前震)発生時刻に犠牲者を悼んで黙禱(もくとう)する人たち=14日午後9時26分、熊本県御船町、筋野健太撮影
熊本地震の発生から1カ月となった14日、被災自治体では犠牲者を悼み、黙禱(もくとう)を捧げた。熊本県内では今なお活発な地震活動が続き、1万人以上が避難生活を送る一方、仮設住宅の着工や罹災(りさい)証明書の発行といった「次のステップ」への動きも加速しつつある。
特集:熊本地震 ライフライン情報など
特集:あなたの街の揺れやすさを住所でチェック
熊本地震 災害時の生活情報
市役所庁舎が倒壊する危険がある同県宇土市では午前10時、市役所の仮の移転先としている市民体育館で職員やボランティアが犠牲者を追悼した。熊本市役所でも同時刻、災害対策本部会議の会場で大西一史市長ら約50人が黙禱した。最初の地震があった午後9時26分には、震度7を記録した益城(ましき)町でも黙禱が捧げられた。
県によると、地震による死者は49人、安否不明者が1人。ほかに19人については関連死の可能性があるとしている。
14日午後現在、25市町村に238カ所の避難所が設けられ、1万312人が避難している。住宅被害は、全壊や半壊などこれまでに8万4160棟を確認し、各地で罹災証明書の申請や交付の手続きが行われている。県内では13日までに10万1110件の申請があり、交付件数は2万9993件。
仮設住宅の建設を計画する自治体は15市町村にのぼり、甲佐町などではすでに建設が始まっている。14日には熊本市で新たに着工した。
被害が甚大だった益城町では、県が3カ所で約160戸の仮設住宅の建設を計画していたが、避難者の意向調査から計500戸以上が必要とわかった。このため県は、さらに4カ所で建設する検討を始めた。
気象庁によると、県内では14日も午後11時までに震度3を観測する地震が3回発生するなど、地震活動が活発な状態にあるという。
5月に入ってからは、震度5弱以上は記録していないが、10日以降も震度1以上の地震が1日平均で十数回起きている。同庁は「今後、最低1カ月程度は熊本や阿蘇で最大震度6弱、大分で5強程度の強い揺れを伴う余震に注意してほしい」と呼びかけた。