完成して重機で運ばれる巨大な御朱印=奉祝記念事業実行委提供
ギネス世界記録に挑戦しようと、巨大なハンコを埼玉県比企地方の人々が製作した。東松山市にある箭弓(やきゅう)稲荷神社の御朱印がモデル。21日にはクレーンでつり上げて実際に押印し、ギネス認定員が判定する。「世界最大」の証しになる瞬間を自ら刻むことができるか――。
同神社が使っている御朱印を忠実に再現した。サイズは印面が1・3メートル×1・3メートルの正方形で、実物の24倍。712(和銅5)年創建と伝わる同神社が「御鎮座1300年」を迎えたことにちなんだ事業だ。太さ50センチの持ち手を含む全体の高さは1・42メートル、重さは420キロとジャンボ級だ。
昨年11月、神社関係者が知人らに「箭弓稲荷は比企地方の歴史ある存在。語呂の『野球』以外にもっとアピールできないか」と相談し、御朱印を模した巨大スタンプの企画が浮上した。
ただちに、比企地方の商工関係者を中心に実行委員会が発足。川越市の材木問屋で樹齢約300年の県産ケヤキの無垢(むく)材を入手し、3月下旬から小川町の木工会社で製作が始まった。
印面に彫るのは「箭弓稲荷」の4文字。実行委員の印鑑職人の呼びかけに賛同した全国の印鑑職人十数人が北海道や大阪などから駆け付け、ノミをふるって1カ月がかりで彫り上げた。