ブルペンで投げ込むソフトバンクの嘉弥真
■スコアの余白
気持ちが奮い立つような激励だった。「中継ぎエース狙えよ」。プロ6年目のソフトバンク・嘉弥真(かやま)に届いた年賀状のメッセージ。送り主は去年、国内フリーエージェント(FA)を宣言し、巨人に移籍した同じ左腕の先輩・森福だった。
スコアの余白
一緒に自主トレーニングで汗を流した仲で、背を追った。今季、通算141ホールドポイントの経験豊富なベテランはいない。熱い言葉を胸にしまい「ポスト森福」に名乗りを上げたのが、沖縄出身の嘉弥真だ。
八重山農林高から社会人のビッグ開発ベースボールクラブ、JX―ENEOSを経て2011年秋のドラフト5位で入団。2年目に自己最多の40試合に登板したが、昨季は5試合の登板に終わった。「中継ぎ陣はなかなか強烈だけれど、何とか割って入りたい。森福さんの位置に行きたい」
宮崎キャンプは主力のA組に選ばれた。投球フォームで「何かを変えないと」と昨秋から森福と同じ横手投げに挑戦している。同僚で左打者の中村晃などからは「もっとインステップの方が怖い」と、助言された。右足を踏み出す位置を1足分ほど一塁寄りにし、左打者の背中から球が来るように角度をつけている。左打者を抑える対策だ。
1月に第1子の長男が生まれた。50試合登板を目標に掲げ、1軍定着を目指す27歳は「守るものができ、これまで以上に頑張らないと」。父となり、覚悟を持って競争に挑んでいる。