減益となった2016年3月期決算を発表する三菱UFJフィナンシャル・グループの平野信行社長=16日午後、東京都中央区
大手銀行7グループの2016年3月期決算が16日出そろった。最終的なもうけを示す純利益の合計は前年比5・5%減の2兆7242億円で2年連続の減益。日本銀行の大規模緩和や競争激化による金利低下で、国内の貸し出しから得られる収益が減っている。好調だった海外事業にも陰りが見え始めている。
2年連続の減益となった三井住友フィナンシャルグループ(FG)は、利ざやの縮小で貸し出しから得られる収益が前年に比べて822億円減った。国内向けの貸出残高は1年で1%以上増えたが、貸出利ざやは平均で0・08%幅下がり、1・21%となった。3年前の1・49%からは0・3%幅近い低下だ。
貸し出しが増えても収益につながらないのは各銀行共通の課題。国内の貸し出しで得られる収益は、新生銀行を除く6グループの合計でもこの1年間で5%ほど減った。みずほFGの佐藤康博社長は「残念だが、利ざやが縮小する傾向は間違いなく続く」と話す。各行とも金利収入に左右されないよう、国内では投資商品の販売や富裕層向けの資産運用など手数料ビジネスを強化していく方針だ。