北海道長万部町に飛来したコウノトリ=15日午後、坂本和夫さん撮影
兵庫県豊岡市で放された国特別天然記念物のコウノトリが、北海道に飛来したことが確認された。北海道伊達市のアマチュア写真家、坂本和夫さん(69)が15日午後に長万部(おしゃまんべ)町で撮影した。兵庫県立コウノトリの郷公園によると、足輪の特徴から同園で2013年7月に放鳥したもので、「J0073」と名付けたメス(13年4月生まれ)の可能性が高いという。
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同公園で放鳥されたコウノトリは沖縄や青森まで飛来した例があるが、北海道での確認は初めてという。
公園によると、この個体は今年5月3日に滋賀県内で確認されており、12日間で約900キロ移動したことになるという。兵庫県立大大学院の大迫義人准教授(鳥類生態学)は「北海道まで飛来したことは喜ばしい。餌があるか、繁殖相手がいるかなどが重要で、野生復帰の新しい展開につながることを期待している」と話す。
坂本さんは発見時、写真仲間2人とカメラを構えたところ飛び立ち、近くの林に飛び去るまでシャッターを切り続けた。そのときは何かはわからなかったというが、インターネットで調べてコウノトリと分かり、「びっくりしました。どんな幸せを運んできたんでしょうね」と喜んでいた。(三上修)