日本の国宝「半跏思惟像」(奈良・中宮寺門跡蔵)
日韓でそれぞれ国宝に指定されている仏像「半跏思惟像(はんかしゆいぞう)」を1体ずつ共同で展示する特別展が24日、ソウルの国立中央博物館で始まる。ほほえみを浮かべているような日韓の仏像の美を通して、文化交流を深めるのがねらい。日本では6月21日から7月10日まで東京国立博物館で展示される。
特別展は韓国の国立中央博物館と東京国立博物館などが主催。主催者側によると、半跏思惟像は、左足を下げ、右足をそのひざの上に組んで座り、右手をほおに添えて物思いにふける仏像をいう。インドから中国、朝鮮半島をへて、日本に伝わり、日本や朝鮮半島では、6~8世紀に多数作られたとされる。
今回展示される日本側の半跏思惟像は中宮寺門跡(奈良県)に伝わる国宝で、海外で公開されるのは初めて。韓国側は国立中央博物館が所蔵し、国宝として広く親しまれているという。この2体の仏像が一緒に展示されるのは初めて。
23日は特別展の開幕に先立ってメディアに公開され、韓国の李栄勲(イヨンフン)・国立中央博物館長が「(2体の仏像が展示されるのは)歴史的な出会いであり、韓日文化交流に新たな転機となる」とあいさつした。銭谷真美・東京国立博物館長も「両国の交流の結実とも言える2体の仏像が大切に守り伝えられ、展示されるのは日韓両国の歴史と意義を象徴している」と語った。(ソウル=東岡徹)