オバマ米大統領の歴史的な訪問から一夜明けた平和記念公園。朝から修学旅行生や外国人観光客らの姿が見られ、いつもの姿を取り戻した=28日午前10時19分、広島市中区、遠藤真梨撮影
核兵器を保有するのは米国だけではない。オバマ大統領の広島訪問について、日本で暮らすロシア人、英国人、フランス人、中国人に聞いた。
特集:オバマ米大統領広島へ
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■ロシア人、横浜の翻訳家 マリア・キリチェンコさん(41)
広島で被爆した子どもたちの作文集「原爆の子」をロシア語に翻訳しました。友人に感想を尋ねると「これほどひどいとは」「核兵器はなくしたほうが良い」と言います。被爆者の苦しみを深く知ることで、核兵器への見方は変わると感じました。
オバマ大統領は広島での演説で原爆を使った米国の責任に触れず、原爆が勝手に空から落ちてきたかのように言いました。核廃絶への責任を誰が持ち、進めていくのか。話してほしかった。それでも今回の訪問は大事な一歩。大統領の姿や言葉が核兵器を必要とみる人々の価値観を変えるきっかけになればいいですね。(聞き手・山西厚)
■英国人、「KOBE PRアンバサダー」 リチャード・モートさん(41)
かつて英国と日本は敵同士でした。許し合えなければ、何一つ前進しません。10年ほど前に広島を訪れた時、先進的で活気のある街に見えましたが、資料館や原爆ドームには悲痛で重い空気が静かに漂っていました。実際に足を運ばないと知り得ない感覚です。