在英NGO「シリア人権監視団」は4日、アサド政権軍が、過激派組織「イスラム国」(IS)が「首都」とするシリア北部ラッカ県に南西部から進軍したと明らかにした。政権軍がラッカに入るのは2014年にISが制圧して以来初めてとみられる。
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ラッカへは、シリアの少数民族クルド人などで構成する「シリア民主軍(SDF)」が、米軍の支援を受けて5月下旬に北方から進撃を始めた。SDFは反体制派のアラブ人部隊も加わっている。政権にとってはラッカがクルド人主体の反体制派勢力に制圧される事態は避けたい。このため政権によるラッカ奪還へ向けて動いたと思われる。
監視団によると、政権軍とISは2日から激しい戦闘となり、IS戦闘員26人が死亡し、政権軍兵士と政権支持派民兵の計9人が死亡した。政権軍はラッカとシリア北西部アレッポを結ぶ幹線道路の掌握も目指しているという。
政権軍は、ロシア軍ヘリコプターの支援を受けながら進攻している。ロシアのラブロフ外相は当初、SDFのIS掃討作戦に協力する用意があると表明していた。(カイロ=翁長忠雄)