熊本地震の影響で、熊本県内45市町村のうち4市町村で参院選(7月10日投開票)の投票所が地震前の予定より計42カ所減る見通しになっていることがわかった。施設の損壊や避難所としての利用が続いていることなどが原因だ。
特集・2016参院選
朝日新聞が全市町村に3日現在の状況を取材したところ、予定していた投票所のうち、損壊などで使えなくなった施設が12市町村で計52カ所にのぼった。
各自治体が地震後に代替施設の確保を進めたが、2度の震度7で19カ所が使えなくなった益城町は代替施設が3カ所にとどまり、投票所が28カ所から12カ所に減る見込みだ。御船町も12カ所から11カ所にする方向で検討中だ。
また、地震による土砂崩れで阿蘇大橋が崩落するなど甚大な被害が出た南阿蘇村は、地震で緩んだ地盤が今後の大雨で崩れ、投票所が避難所になることなどを想定。投票所を当初予定の17カ所から、村の有権者全員が投票できる共通投票所として3カ所に集約することを決めた。同様の理由で、阿蘇市も投票所を22カ所から11カ所に減らす。
開票所も、損壊や避難所としての利用のため8市町村の計11カ所が使えなくなった。代替施設を調整中の自治体もある。(奥正光、沢田紫門)