オバマ米大統領から贈られた折り鶴=5月27日午後8時45分、広島市中区、高橋雄大撮影
オバマ米大統領が広島市に寄贈した手作りの折り鶴4羽が9日から、広島平和記念資料館(原爆資料館)で公開されることが決まった。「核なき世界」に向けた芳名録のメッセージも展示する。折り鶴を受け取った小中学生は「多くの人に見てもらい、平和への思いを感じてほしい」と願う。
オバマ氏「実は折り鶴を持ってきました」 原爆資料館で
オバマ氏は5月27日の広島訪問直後、原爆資料館を見学した。被爆10年後に白血病で亡くなった佐々木禎子さん(当時12)が回復を願って折った鶴の展示を熱心に見た後、自作の折り鶴を取り出した。
出迎えた広島市立吉島中3年の花岡佐妃(さき)さん(14)、市立中島小6年の矢野将惇(まさとし)君(11)に笑顔で声をかけ、名前と年齢を聞いた。2人が英語で答えると、オバマ氏は「ベリーグッド。これからも勉強をがんばって」と言って握手し、ピンクと青地に白の折り鶴をそれぞれ手渡した。
祖父が被爆者の花岡さんは学校で平和メッセージを書いて参加者に選ばれ、「将来の平和を託されたような気持ちになりました」。矢野君はオバマ氏との対面を被爆者の祖母に知らせた。「おばあちゃんも『平和につながる第一歩を見ることができて良かったね』と喜んでくれた。折り鶴が平和な世界を築くかけ橋になればいい」と話す。
資料館は、オバマ氏が芳名録に「平和を広め核兵器のない世界を追求する勇気を持ちましょう」と書いたメッセージと、その上に残した折り鶴2羽とともに、8月末まで展示する。(高島曜介、田中瞳子)