「べと病」にかかったタマネギの葉(佐賀県提供)
全国2位の生産量を誇る佐賀県産タマネギに病気が流行し、首都圏で価格が高騰している。東京のスーパーでは、品薄対策として外国産の輸入を検討する事態に。佐賀県は「産地存亡の危機」(農業関係者)と位置づけ、地元JAや自治体とともに対策に乗り出した。
タマネギの最大の産地は北海道だが、出荷のピークがずれるため、毎年4~7月は佐賀県産が東京の市場で最も多く扱われる。だが今年は異変が起きた。佐賀県産が品薄になり、東京都中央卸売市場によると、大田市場では14日時点の卸会社の販売価格は4320円(20キロあたりの高値)。先月14日の2160円の2倍になっている。
首都圏を中心に113店舗を構える中堅スーパー「サミット」(本社・東京都杉並区)の担当者は「市場にものがなく、価格はまだ上がる」と分析。「高値の傾向が続くと対応を考えていく必要がある」として、ニュージーランド産などの輸入を考えるという。
原因は、「べと病」の流行だ。糸状菌というかびの一種が原因で、葉に褐色の病班ができるのが特徴。球が大きくなるのが阻害される。年末年始の天候不順で菌が蔓延(まんえん)する環境ができ、4~5月にかけて平年を上回る降雨が続いて勢いを増したらしい。