三重県警の40代の男性巡査長が5月に津市内で軽傷ひき逃げ事故を起こし、自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致傷)と道路交通法違反(ひき逃げ)の疑いで書類送検されていたことが、県警への取材で分かった。県警は巡査長を本部長訓戒処分としたが、公表していなかった。
書類送検は5月25日付。巡査長は同日に依願退職した。県警監察課によると、巡査長は非番の5月2日午後4時半ごろ、津市大里窪田町の県道で私有車を運転中、信号待ちをしていた40代の会社員女性の軽乗用車に追突し、首をねんざする軽いけがをさせ、そのまま追い越して走り去った疑いがある。女性が車のナンバーの一部と車種を覚えていたという。巡査長は所属する署の行事に参加するため、自宅から署に向かう途中で、「申告すれば叱責(しっせき)されると思った」と話したという。
同課は、非公表とした理由について、訓戒処分だったことに加え、「巡査長が反省していることや被害者のけがが比較的軽かったことなどを考慮した」と説明している。巡査長を逮捕しなかった理由は「証拠を隠滅せずに反省していることや、被害者のけがが比較的軽いことなどを考慮した」と説明し、「県民を守るべき立場にある警察官としてあるまじき行為。被害者と県民に深くおわびする」とコメントした。