透き通った海が広がる伊是名島。マラソン大会では左端の道を走る予定という=いぜな島観光協会提供
大阪府立阿武野(あぶの)高校(高槻市)が来年2月、沖縄の離島でハーフマラソンを走る修学旅行(2年生約280人)を企画している。話を聞いた島側が島おこしにつながると、修学旅行に合わせたマラソン大会の開催を即決。当日は島民らが沿道で盛り上げる計画だ。
特集:沖縄はいま
「他校にない挑戦や経験ができる修学旅行はないだろうか」と、学年主任の大辻民基(たみき)首席(39)ら2年生担当の教諭が発案。旅行業者を通じて開催地を探していると、沖縄本島の北約20キロにある伊是名(いぜな)島(沖縄県伊是名村)の観光協会が協力を申し出た。
伊是名島は周囲16・7キロ、人口1500人ほどで農業や養殖・漁業が中心の小島。琉球王朝第二尚(しょう)氏の始祖尚円王の生誕地とされ、白い砂浜と透き通った海が魅力だが、那覇市内から車と船で2時間半かかり、年間の来島者は3万人前後。ピーク期の5~8月でも月3300人程度で、2月は夏場の半分ほどだ。
島観光協会は観光客を増やそうと、秋にトライアスロン大会を開いたり、修学旅行生を島民の家に泊める「民泊」をしたりしてきた。将来はマラソン大会も開きたいと考えているところに修学旅行の話が舞い込み、観光協会の上間美卓(うえまよしたか)事務局長は「すぐに開催を決めた」という。
9月ごろから一般参加者約500人を募り、大会当日は島民も沿道で応援する。給水場やゴール付近に揚げ菓子のサーターアンダギーなど特産物を用意し、表彰式で「尚円太鼓」を披露する予定。上間さんは「毎年続く大会にして観光客誘致につなげたい」と意気込む。
修学旅行は3泊4日の予定。2日目に島民の家に泊まり、農業や漁業を体験。3日目にマラソン大会を走る計画だ。初日と最終日は本島で沖縄美(ちゅ)ら海水族館を見学したり、班ごとに首里城などを訪れたりする。