将棋棋士の羽生善治さん(左)と俳優の東出昌大さん(右)
早世の将棋棋士・村山聖(さとし)の生き様を描いた映画「聖の青春」(配給KADOKAWA)で、ライバルだった羽生善治三冠(45)の役を、俳優の東出昌大(28)が演じる。羽生三冠から借りたメガネを身につけて熱演する東出の姿に、撮影現場では「うり二つ」と驚きの声も上がっているという。映画はこの秋の公開が予定されている。
「怪童」棋士の情熱、今も 羽生名人「生きていたら…」
村山は「東の羽生、西の村山」と並び称される天才棋士だったが1998年夏、29歳のとき病でこの世を去った。一方、村山の一つ年下で、最大のライバルだった羽生三冠は96年に将棋界初の七大タイトルを独占し、今もなお棋界のトップを走る。東出さんは、羽生三冠が七冠達成時に実際にかけていたメガネを借り、徹底した「羽生研究」で所作やたたずまいなどを身につけていったという。
映画の最大の見どころは、主人公の村山を演じる松山ケンイチとの対局シーン。2人は実際の棋譜を覚えて2時間半に及ぶ長回し撮影に挑んだ。東出は「松山さんと過ごせた時間が自分の宝になりました」と振り返る。一方、羽生三冠も「気恥ずかしいところもありますが、東出さんに演じて頂いたのは名誉なことだと思っています」とのコメントを出した。
他のキャストは、師匠として村山を支えた森信雄七段役にリリー・フランキー、母親役に竹下景子、弟弟子役に染谷将太が名を連ねている。(浦野直樹)