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最大震度7の地震に2度見舞われた熊本県を、今度は豪雨が襲った。20日夜から21日未明にかけて降った雨は、震災からの復興をめざす被災地にさらなる被害をもたらした。
ザザザーッ。眠っていた熊本県御船(みふね)町水越の立村幸雄さん(76)は21日午前1時ごろ、大きな音に気づいた。その後、家が倒れるような音も聞いた。
外の様子を見に出ると、激しい雨のなか、隣の渡辺義則さん(82)の家に土砂が流れ込んでいた。逃げ出した渡辺さんの妻が「まだ主人が家の中にいます」と、助けを求めてきた。
すぐに近所の5人ほどが集まり、消防団員3人も加勢して捜すと、家に閉じ込められ、毛布にくるまった渡辺さんを妻が見つけた。呼吸はしていたが、話しかけても返事はなかった。
みんなで土砂をかきわけて約3時間後に助け出した。渡辺さんは午前8時50分ごろに防災ヘリで病院に搬送された。頭に軽いけがをしていたが命に別条はないという。
立村さんは「雨がザーザー降って周囲の状況がよく分からなかった。また土砂崩れが起きるのではという恐怖もあったけど、懸命に助けました」と話した。
■「どうして災害ばかり続くのか」
「やっと余震が収まったと思ったら、今度は大雨か」。熊本地震で震度7の揺れに2度襲われた熊本県益城(ましき)町の住民は、疲れた様子で話した。