梅雨前線の影響で大雨が続く九州北部では、23日明け方にかけて局所的に強い雨が降った。消防庁によると、23日午前6時15分現在、熊本県など6県の約72万人に避難指示や避難勧告が発令されていたが、徐々に解除されている。
この雨で、福岡県久留米市では22日朝から男性(86)の行方が分からなくなっている。久留米署は増水した用水路に転落した可能性があるとみて捜索している。
交通への影響も出ている。JR九州は23日朝、河川の水位上昇により、佐賀県と長崎県をまたぐ佐世保線の一部で一時運転を見合わせた。九州自動車道では、熊本県内の南関―植木インターチェンジ間でのり面が崩落し、西日本高速道路が22日夜から通行止めとした。
福岡管区気象台によると、18日の降り始めから23日午前5時までの総雨量は熊本県・阿蘇山で613・0ミリ、大分県・日田で537・0ミリ、佐賀県・嬉野で455・0ミリ、長崎県・雲仙岳で441・0ミリ、福岡県・朝倉で425・5ミリ、山口県・周南で348・5ミリなどとなっている。
また鹿児島地方気象台によると、宮崎県・えびので646・0ミリ、鹿児島県・伊佐で488・0ミリ。
23日は梅雨前線の活動が弱まるが、24日から25日にかけて九州北部で再び大雨になる恐れがある。これまでの雨で地盤が緩んでおり、福岡管区気象台は土砂災害や河川の増水・氾濫(はんらん)に引き続き警戒するよう呼びかけている。