無許可「民泊」の取り締まり強化を訴えるホテル・旅館の営業者ら=8日、東京都新宿区、竹野内崇宏撮影
住宅の空き部屋に旅行者を有料で泊める「民泊」の新制度で、最大の焦点だった年間営業日数の設定が先送りされた。商機拡大を目指す不動産・賃貸業界と、ライバルの営業活動を抑えたいホテル旅館業界が対立、参院選でそれぞれの業界から支援を受ける与党議員らに政府が配慮した。
昨年11月から13回議論した厚生労働省と国土交通省の有識者検討会は22日、最終報告書を発表した。従来の旅館業法に基づく許可制だけでなく、審査が簡単な届け出・登録制で、住宅地でも営業できる民泊新法をつくることが柱だ。
ただ、新法で規制緩和の条件である「年間営業日数の上限」は、「半年未満(180日以下)の範囲で設定する」として先送りされた。政府関係者は「推進派と抵抗派の主張に開きがあり、政治決定が必要。どちらも強力な議連があり、とてもまとめられる状況ではない」と話す。