独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)の排ガス規制逃れの問題で、米環境保護局(EPA)など関連当局は28日、VWが最大約147億ドル(約1兆5千億円)を支払うことで和解すると発表した。米メディアによると、自動車メーカーが不正問題への対応をめぐり、米国内で支払う金額としては過去最大になるという。
特集:独VW不正問題
この金額には、不正車両買い取り費用や集団訴訟の和解金、不正車を保有する顧客への補償金、当局への制裁金支払いが含まれる。主要な部分を占める車両の買い取りでは、米国内で販売された50万台近い排気量2リットルのディーゼルエンジン車が対象で、年式などに応じて価格は変わるという。
VWによる規制逃れは、昨年9月にEPAが初めて不正を指摘して発覚した。VWが昨年出したリコール(回収・無償修理)計画に対し、当局は「不十分」と練り直しを要求。車両の回収も進まない異例の事態が続いた。こうした中、不正車両の保有者らが起こした集団訴訟を担当するカリフォルニア州地裁の判事が、VWと当局に、28日までにリコール計画や消費者への補償内容などで合意するように求めていた。