リオ五輪出場辞退を表明したアダム・スコット=USAトゥデー・ロイター
112年ぶりに五輪に復活するゴルフ競技に暗雲が立ちこめている。男子の大物選手たちが、ジカ熱の流行などを理由にリオデジャネイロ五輪の出場を辞退しているためだ。
世界ランク1位のジェーソン・デー(豪)は28日、「とても残念だが、リオ五輪には参加しない」との声明を発表した。ジカ熱感染のリスクを理由に挙げ、「国の代表として五輪に出場することは大きな目標の一つだが、ゴルフが家族の安全よりも優先されることはない」と述べた。
メジャー大会通算4勝で世界ランク4位のロリー・マキロイ(英)も22日、所属事務所を通じて不参加を発表。「自分の体、家族の体が何よりも大事。感染のリスクは低いとされているが、ゼロではない」とした。「ベストプレーヤーが出場すべき」「ゴルフを世界に広める使命がある」と出場に前向きだったが、婚約者と話し合って決めたという。これに対し国際ゴルフ連盟は「残念だが、それぞれに事情があることは理解している。彼が出場を待ち望んでいたことは知っているので、ジカ熱が辞退につながったのは不運だ」との声明を出した。
4月のマスターズ覇者、ダニー・ウィレット(英)も「ゴルフは仕事。素晴らしい仕事だが、人生の方がもっと大事だ」とジカ熱を理由に辞退を表明。他にも13年のマスターズ覇者、アダム・スコット(豪)、ビジェイ・シン(フィジー)、シャール・シュワーツェル(南ア)らメジャー大会優勝者が軒並み辞退を表明。態度を保留している日本のエース、松山英樹は「五輪のゴルフがどういう位置づけなのかは難しい。米ツアーでは皆、そう思っている」と打ち明ける。
男子は過密日程が指摘されてきた。7月には全英オープン、全米プロ選手権があり、五輪から1週間後には米ツアーの年間王者を決めるプレーオフが始まる。南半球で行われる五輪への出場は体力的な負担が大きい。これにジカ熱の流行が追い打ちをかけた。
対照的に、ジカ熱によるリスク…