英・保守党の党首選に立候補しているアンドレア・レッドサム氏=AFP時事
国民投票で欧州連合(EU)からの離脱を決めた英国で、離脱派の旗振り役だったボリス・ジョンソン前ロンドン市長が4日、キャメロン首相の後任を選ぶ与党・保守党の党首選で、エネルギー・気候変動省のアンドレア・レッドサム副大臣の支持を表明した。英メディアが伝えた。
英BBCによると、ジョンソン氏はレッドサム氏について「情熱があり、議会の誰よりも財政に詳しい。英国と欧州を正しい未来の方向に導くだろう」と述べた。党首選にはレッドサム氏のほか、残留派だったメイ内相や離脱派のゴブ司法相ら計5人が立候補した。現段階では、メイ氏への国会議員からの支持が最も高いとされる。
レッドサム氏は同日発表した党首選の公約で、原則2年の離脱手続きを開始させる、EUのリスボン条約に基づく「離脱通知」について言及。英国や他の加盟国にとって「不確実な状況が続くことは望ましくない」と指摘し、早急に離脱交渉に入る意向を示した。 また、EU域内からの移民の流入を可能にしている「人の移動の自由」の原則については制限が必要と強調したが、EUの単一市場へのアクセスが離脱で困難になるとの見方については、「(他の加盟国が)英国と各国にとって実利的な決定をするだろう」と楽観的な見方を示した。
保守党の党首選では、ジョンソン氏が本命視されていたが、離脱キャンペーンを二人三脚で進めてきたゴブ氏が突然立候補を表明し、断念を余儀なくされた経緯がある。(ロンドン=高久潤)