前半、同点ゴールを決める乾⑭=24日、エカテリンブルク、関田航撮影
(24日、日本―セネガル サッカー・ワールドカップ)
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リードを許した前半34分、最終ラインにいたMF柴崎が左サイドを走るDF長友にめがけ、ロングボールを蹴った。
長友は相手DF2人に囲まれながらも、かわす。かわしたボールが長友からMF乾のもとに転がった。乾に迷いはなかった。「セネガルはプレッシャーも速いし、足も伸びてくる。その辺をかわすには判断の速さが大事」と予想した通り、即座に右足を振り抜いた。相手GKも反応したが、一歩届かず、シュートはゴールに吸い込まれた。先取点を許し、流れが悪かった日本に同点ゴールをもたらした。
「W杯は出たことないから、ぴんとこない」。子どもの頃からの夢だったスペインでプレーすることを第一の目標にし、視野にW杯は入っていなかった。それでも、最高峰のリーグの一つで3年間、強豪と戦い続けたことで、自然と力を蓄えていった。
相手をあざ笑うかのような切れ味鋭いドリブルが持ち味。自信満々に見えるが「今でも自信なんてない」と謙虚だ。昨年5月にバルセロナから2得点を奪ったことで注目され、2年余り離れていた日本代表への復帰を果たした。
5月に右太ももを痛め、練習では別メニューが続いた。それでも大会直前のパラグアイ戦で2得点と結果を残し、1次リーグ初戦のコロンビア戦で先発の座を勝ち取った。コロンビア戦は「前半に迷惑をかけてしまい、良くなかった」と反省していた。後半33分にもMF本田の得点をアシスト。2試合目で、西野朗監督の起用に応えた。(河野正樹)