「教師も奨学金問題にもっと目を向けるべきです」と話す佐藤元貴さん=名古屋市
「18歳選挙権」の導入もあり、若者向けの政策として注目される奨学金。学生や教師は「学費の心配なく学べる社会に」と訴え、各党も返済不要の給付型奨学金の創設を公約に掲げる。「奨学金だけでなく、家庭の生活支援にも目を向けて」と指摘する声もある。
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候補者のスタンスは?朝日・東大谷口研究室調査
特集:18歳選挙権
愛知県の大学3年の女子学生(21)は今春、公益財団法人が募集した返済不要の奨学生に選ばれ、風俗のアルバイトを辞めることができた。「重りがとれたような感じ」
小学3年の時に両親が離婚。自殺未遂を繰り返す母が心配でほとんど学校に通えず、16歳で児童相談所に保護された。
「自分のように不安を抱えている子の支えになりたい。そのために大学に行きたい」。自立援助ホームに入所し、飲食店などで早朝から深夜まで働きながら勉強したが、高卒認定試験には2度落ちた。18歳の時、「短時間で稼げる」風俗の仕事を始めた。
客を待つ待機室でもノートを広…