パリで15日、花火の見物客に大型トラックが突っ込んだ事件を受けてテレビ演説するオランド仏大統領=AP
フランスがまたも惨劇に見舞われた。昨秋のパリ同時多発テロ後に出した非常事態宣言をようやく解除するとの方針を、オランド大統領が宣言した直後の出来事だった。しかも、7月14日は「自由の象徴」(オランド氏)であるフランス革命の記念日。事件が起きたニースを含む全国各地で、お祝いの催しが開かれていた最中だった。
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「フランスは狂信主義よりも強い。テロリストに一切妥協しない」。テロ直後の15日未明、国民向けの演説でオランド氏はこう力説したが、8カ月に及ぶ非常事態宣言を解除する方針を示した前日の発言を取り消さざるをえなかった。「3カ月延長を提案する」
今のところ犯行声明は出ていないが、演説では「イスラム過激派への攻撃を強める」と明言し、過激派組織「イスラム国」(IS)がイラクやシリアで支配する地域への空爆強化を打ち出した。さらに予備役を治安強化のため招集するなど、街頭での警戒を強化する昨年11月の同時多発テロ後の対応を、再び繰り返さざるを得なかった。
仏国内では昨年1月の週刊新聞…