欧州連合(EU)の行政を担う欧州委員会は14日、米グーグルに、EU競争法(独占禁止法)に違反した疑いがあるとする「異議告知書」を送付したと発表した。同社のインターネット広告が、市場の支配的な地位を利用している可能性を指摘している。
送付は同法違反の是正手続きの第1段階で、警告的意味を持つ。欧州委がグーグルに同法違反の本格調査に入ったのは、ネットショッピングサービス、携帯端末向け基本ソフト(OS)「アンドロイド」などに次ぐ3例目。
欧州委によると、グーグルは小売業者や通信事業者などのウェブサイトに自社の検索エンジンの使用を認める契約を締結。検索結果と一緒に表示される広告に、競合他社のものを表示しないよう求めるなどした疑いがあるという。
欧州委は同日、昨年4月に告知書を送付し、近く制裁金が発表されるとみられていたネットショッピングサービスについて、追加の告知書を送付した。違反が認定されれば、最大数十億ドルにのぼる制裁金が科される可能性がある。
ドイツを中心にEU域内の通信事業者などから、米国のIT企業が域内のインターネット事業を独占しているとの不満が出ており、EUは厳しい対応を迫られている。(ブリュッセル=吉田美智子)