ルームミラーの後ろに取り付けられたドライブレコーダー
車内から前方を撮影・記録し、交通事故の「目撃者」となるドライブレコーダー(DR)。タクシーやバスだけでなく一般車にも浸透し、全国の販売台数はここ数年で倍増している。業界関係者は「市場規模はまだまだ拡大する」と見込む。ネットで共有して交通安全に役立てるなど活用方法も広がる一方、プライバシー保護などの課題も見えてきた。
「当て逃げされました」。5月下旬、愛知県警昭和署で2人の男性が訴えていた。名古屋市昭和区の道路で停車中、追い越し車両に当て逃げされ、右のドアミラーが壊れたという。車のDRには、道路中央を走り抜ける車が映っていた。
男性は事故を経験した知人から「DRを付けていたら、もめることはなかった」と聞き、約2年前から取り付けていたという。
現時点で逃走車の特定には至っていないが、ある捜査幹部は「車種は分かるので初動捜査が全然違う。どちらが青信号だったか争うような事故では特に役立つ」と話す。実際、大阪府堺市で昨年10月にあった死亡事故では当初、運転手は「黄色信号だった」と説明していたが、DRには赤信号で進入する様子が残っており、逮捕につながった。
市場調査会社「GfKジャパン」(本社・東京)によると、DRの販売台数は2013年の約30万台から、昨年は約60万台に倍増。カー用品販売店も盛況だ。「スーパーオートバックス ナゴヤベイ」(名古屋市港区)は入り口近くにDRコーナーを設置した。
担当者は「多い時で1週間に5…