操作するスマートフォンを経由し、ドクターイエロー(手前)の先頭車両に内蔵されたカメラの映像がスクリーンに映し出された=東京都江東区、工藤隆治撮影
プラスチックのレールを列車が走るおもちゃ「プラレール」が進化している。発売から半世紀が過ぎ、スマートフォンで操る車両や新幹線の変身ロボット、大人向け車両も登場した。本職の運転士が訓練に使うなど、子どもの遊びの枠を超えて人気が広がっている。
テツの広場
16万人が訪れた6月の「東京おもちゃショー」。タカラトミーのプラレールコーナーでは、東海道・山陽新幹線の試験車「ドクターイエロー」の新モデル(10月発売予定)が披露された。
車両の先頭と側面にカメラが内蔵され、無線LAN(WiFi)で接続したスマートフォンを経由して、運転士や乗客の視点の映像がスクリーンに映る。説明員がスマホを操作すると加速した。子どもたちは「僕が映ってる!」と手を振った。
5歳の長男と訪れた東京都江東区の会社経営、鎌田洋祐さん(49)は「自分も幼い頃にプラレールで遊んだが、バリエーションが増えた。息子と楽しみを共有できていい」。
山手線の全29駅を再現したジオラマも登場し、実物と同じ57編成が一斉に走った。車両はプラレールの半分の幅の「プラレールアドバンス」。1本のレールを複線として使い、車両がギリギリですれ違える。「大人も楽しめる」をコンセプトに2011年に発売し、5年で約130万個が売れた。
プラレールは1959年に登場。直線や曲線など約30種類のレールを組み合わせ、駅や鉄橋を置いてモーターつき列車を走らせる。レール幅など規格は発売以来ほぼ変わらず、約1300種類の車両や部品が発売されてきた。レールの総延長は地球2周半になる。
実物をモチーフにした車両が多く、現在は新幹線や特急など60種類がそろう。鉄道会社が新車両を開発するとタカラトミーが商品化を打診し、年5~10種類が入れ替わる。地方の鉄道会社の依頼で限定商品を出すことも。海外では台湾新幹線やフランスTGVを商品化した。
同社プラレール企画部の檜垣真…