国際オリンピック委員会(IOC)は、ドーピング問題で揺れるロシア選手のリオデジャネイロ五輪出場の可能性を残した。IOCはドーピングに対する断固たる姿勢を示すよりも個別の選手の権利、ロシアや各国際競技団体との関係を重視することを選んだ。
ロシア選手のリオ五輪出場、競技団体に委ねる IOC
ロシアのドーピング問題
世界反ドーピング機関(WADA)がロシア選手団全体の締め出しを勧告する中、柔道や体操など国際競技団体から反発もあり、IOCは国際競技団体にロシアの出場選手の可否を委ねた。
ロシア陸上界のドーピング問題を最初に報じたドイツ公共放送ARDのゼッペルト記者は「非常に弱腰の決定だ。開幕までわずか12日でロシアの選手がドーピングに関わっていないかを調べるのは非現実的」と批判。ARDと協力して報道していた英紙タイムズも「IOCの長い歴史で恥ずべきことはいくつかあるが、これほど臆病な決定は過去にない」と切った。WADAのおひざ元カナダCBCスポーツも「IOCの決定は、ファンに混乱や不満をつくった」と報じた。
IOCが一連の問題の端緒とな…