「津久井やまゆり園」で警備にあたる警察官たち=29日午前8時57分、神奈川県相模原市、角野貴之撮影
神奈川県相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」で起きた殺傷事件は、無事だった入所者や職員にも大きなショックを与えた。園に残る人たちのケアが課題となっている。
特集:相模原の殺傷事件
施設を運営する社会福祉法人かながわ共同会や県によると、園には事件前、10~70代の149人が長期入所していた。その約8割が、必要とされる支援の度合いを示す「障害支援区分」で最も重い6だった。
27日時点で、けがをしなかった約100人が園に残った。一部の入所者は家族が自宅に引き取り、共同会が運営する他の施設に移った人もいるという。
現場検証などのため現場の建物のほとんどが立ち入り禁止になり、事件のあった26日は男性は体育館で食事を取り、夜もそのまま布団を敷いて就寝。女性はホームの被害を受けなかったスペースで過ごした。風呂は27日になっても1カ所しか使えず、順番に利用したという。園側は「同じ場所に一日中いるのは大変なので、日中に外に出られるよう工夫をしたい」と話す。
職員の動揺も大きい。中にはショックで吐いたり、薬で動揺を抑えたりしている人もいるという。共同会と県は28日、職員の心身の状態を見極めながら、可能な人には事件当時の状況の聞き取りを始めた。
「普段と違う食器でご飯を食べられない人や、いつもよりぐずったり、機嫌が悪くなったりする人がいる」。元職員の男性(73)は事件直後に園内に入り、ストレスをためる入所者の様子を見たという。男性から話を聞いた妻が取材に明かした。
28日に園に献花に訪れた元職…