国の安全基準に適合していないとみられるレーザーポインター=国民生活センター公表の資料から
国の安全基準を超える出力のレーザーポインターを販売したとして、大阪、京都など7府県警が4人を消費生活用製品安全法違反(特定製品無表示販売)の疑いで逮捕し、計10業者の自宅などを家宅捜索したことがわかった。大阪府警によると、こうした違法な製品はネットなどで簡単に手に入り、光線が航空機などに照射される危険な事件が相次いでいた。
捜査関係者によると、東京都渋谷区の会社員の男(34)ら4人は個人業者で昨年5月~今年6月、安全性を示す「PSCマーク」がない高出力のレーザーポインターをネットオークションやネット通販で売った疑いがある。安全基準のない中国などから輸入し、1個数百円から数万円で販売したとみられる。
大阪、京都の両府警は、逮捕した4人らの関係先がある群馬、栃木、静岡、和歌山、香川の各県警とともに10業者の事務所などを同容疑で捜索し、1千個以上の違法レーザーポインターを押収した。今後、購入者の使用目的なども調べる。
高照度のレーザーポインターはネット上で「護身用」などとして販売されている。昨年10月には大阪(伊丹)空港で旅客機が着陸する際、操縦席にレーザーが照射される事件が起きた。国土交通省によると民間機へのレーザー照射は2010年7月からの6年間で、194件あったという。