群馬大学病院で手術後の死亡が相次いだ問題で、同大は2日、適切な対応を取らなかったなどとして、執刀した40代の男性医師(退職)を懲戒解雇相当、上司だった60代の男性教授を諭旨解雇の懲戒処分にしたと発表した。ほかに当時の大学の理事2人を減給相当、副病院長ら5人も厳重注意などとした。7月29日付。
都内で会見した平塚浩士学長は「大学の風土もあり、上司や同僚間の情報のやりとりがスムーズにされなかったことが問題だ。再発防止、信頼回復に向け、改革に邁進(まいしん)していきたい」と謝罪した。
群馬大病院では、2009~14年度に男性医師の肝臓手術を受けた18人が死亡。同大から依頼を受けた医療事故調査委員会が先月30日、男性医師が所属していた旧第2外科は体制が不十分なまま難度の高い手術を実施し、監督する立場の診療科長だった男性教授が適切な対応を取らなかったなどとする報告書を大学に提出していた。
遺族らも2日に会見し、80代の父親を亡くした前橋市の40代男性は「処分は出たが、本当に再発防止に向けてやっていくのか不信感はある。誠実な対応を期待したい」と話した。