就任後初の定例記者会見に臨む小池百合子都知事=5日午後、東京・新宿の都庁、仙波理撮影
東京都の小池百合子知事は5日、就任後初めての定例記者会見に臨んだ。選挙戦で力を入れて訴えた「待機児童ゼロ」を目指し、緊急対策を今月中にとりまとめる方針を公表。ブラジル・リオデジャネイロ出張の経費削減策も示し、改革に取り組む姿勢を打ち出した。
「課題には時間をかけずに迅速に取り組み、一日も早く目に見える成果を出していきたい」。会見の冒頭、小池氏は待機児童対策についてこう強調した。
都内の待機児童は4月1日現在で8466人と2年ぶりに増加した。選挙戦では、保育所の受け入れ年齢や広さ制限の見直し、都の遊休空間を保育施設に活用することなどを訴えていた。すでに部局に補正予算の編成を指示し、9月の都議会第3回定例会に提案する考えだ。
自民、公明が6割を占める都議会との最初の攻防となる。選挙戦では対決姿勢だったが、この日は「説明は真摯(しんし)に行う」「議員のみなさまに要望があればうかがえるよう、心配りをする」などと述べて理解を求めた。
21日のリオデジャネイロ五輪閉会式に出席する日程も公表。18日に出国、24日に帰国するとして飛行機はビジネスクラス、同行職員を大幅に減らして4人にした。小池氏の宿泊費を国際オリンピック委員会(IOC)が負担することなどから、費用は約1千万円に抑えられる見込みという。舛添要一前知事は、ファーストクラスやホテルのスイートルームを使ったり、20人近い職員を同行させたりして批判を呼んだ。
小池氏は「今回はイレギュラーな経費だが、都民感覚を理解した上で経費削減に努めたい」と述べた。
来年度予算編成では、全ての事業を総点検する方針も打ち出した。約3千件ある事業に終了期限を設け、効果を検証するという。11月7日までに予定されている築地市場(中央区)の豊洲市場(江東区)への移転については、「立ち止まって考える」として、賛否両派や安全性に関する専門家らの意見を改めて聞く考えを示した。
■小池知事の発言骨子
・2020年に向けた都政の「実行プラン」(仮称)を策定し、年内に公表
・来年度予算編成に向け、無駄を排除するため全事業に終了期限を設けて検証
・待機児童の緊急対策を今月中にまとめ、補正予算案を9月都議会に提出
・リオデジャネイロ五輪出張の同行職員数を4人に削減。飛行機はビジネスクラス