大阪市を中心に展開し、激安スーパーで知られる「スーパー玉出(たまで)」が、法定時間を超えて中国人留学生らを働かせていたとして、大阪府警は8日、同社の前田託次社長(71)=同市天王寺区=ら幹部3人と、法人としての同社を出入国管理法違反(不法就労助長)などの疑いで書類送検したと明らかにした。社長は「知らなかった」と容疑を否認し、前田充俊・人事部長(40)=同市生野区=らは「会社ぐるみでやった」と認めているという。
外事課によると社長らは2~5月、大阪市内の12店舗で中国人やベトナム人留学生の男女12人を法定時間を超えて働かせた疑いがある。同法の施行規則は、留学生が入国管理局の許可を得て働けるのは週に28時間までと定めているが、多い留学生で週62時間働いていた。府警は、12人も同法違反の疑いで書類送検した。
同社は朝日新聞の取材に対し、2014年2月に留学生側から「春休みなのでもう少し長く働きたい」と言われ、受け入れたと説明。法定時間を超える労働は今年5月まで続いていたとしている。同社は「人事部長がこの事実を把握していたが、会社ぐるみではない」としている。
ホームページによると同社は1978年創業。従業員は3千人で、大阪府内に51店舗、兵庫県内に1店舗を持つ。同社は朝日新聞の取材に「この度は大変ご迷惑をおかけすることになり、大変申し訳ございません」との談話を出した。